「 悪役令嬢の中の人〜断罪された転生者のため嘘つきヒロインに復讐いたします〜/漫画:白梅ナズナ 原作:まきぶろ」
完結を機に読んでみました。とても良い作品でした。
込められたメッセージがとっても刺さったのですが、と言うかまず絵が上手すぎますよね!?!?
顔芸が凄いぞ!とは聞いてたんですが、振り切った表情から微妙なニュアンスな表情まで、こんなにたくさんの表情を描ける人ってなかなか居ないですよね……!
線もとても美しくて、画力が漫画の演出に組み込まれていますよね。美人だけじゃなく幅広い年齢、顔立ちの人も全員表情豊かで描かれるので読み応えが凄かったです。
内容について
最終巻のあとがきにて白梅ナズナ先生が書かれていたことが全てだなあと思うのですが、個人的にこのお話って復讐してスッキリざまあっていうのが主題では無いと思いました。
作中のレミリアって「エミならこうする」っていうのを一番大事にしていますよね。レミリアが一番やりたいことって報復ではなく「エミのレミリア(エミ)を守ること」なんだと思いました。
エミが望んでいたものって「レミリアをはじめ一人でも多くの人が幸せになる世界を作ること」だと思います。
エミの行動指針って多分そこで、エミは断罪されたことにより、自分がやってきたこと全てを否定されたような気持ちになったんじゃないかなと思います。レミリアは「エミを裏切って陥れた人を不幸にすること」じゃなくて、「エミは間違ってないよ」ってことを伝えたかったんじゃないかな。冤罪を証明し、復讐して「エミのレミリア」が幸せになることでエミが一番大事にしていた部分を守りたかったんだろうなって思います。復讐の全てを遂げたこと=エミを愛しきったってことだって感じました。
レミリアは「エミならこうする」「エミならこうなる」と言うことを行動指針にしていました。嘘を見抜くアンヘルと一緒に過ごしていることで「レミリアが演じる“エミのレミリア”が嘘じゃない」って分かるじゃないですか。これってレミリアがエミを心から信じていて、エミを信じている自分のことを信じているからなんだろうなって思いました。
あとがきにて「承認に頼らず、誰にも理解されなくても“なりたい自分”であり続けることに宿る幸福もある」と書かれていたのですが、まさにこの物語ではそれが表現されているなって思いました。と言うかめちゃくちゃ良い言葉ですよね!?!?心に刻みました。
そしてエピローグ。とっても泣きました。涙を流したシーンで初めてレミリアの素を見れた気がしました。エミに出会ったことでレミリアは「愛すること」を知って、エミを愛しきったことでレミリアはやっと幸せになれたのかな。レミリアは愛を知っただけで、ちゃんと自分のまま「エミのレミリア」を守って幸せになれたのが素敵だなって思います。
ピナについて
ピナみたいに自分がかわいくて自分のことしか考えられない人って居ますよね。でもこういう人って自己愛が強いように見えて、自分のことを本当の意味でちゃんと愛せてはいない気がします。
私の考えですが、大事な人や愛しい人に悪いことや卑怯なことってさせないと言うかさせたくないって思う気がするんですよ。でもこういう人って進んで非道的なことをしたり、正当化しづらいことをしますよね。本人はそこまで考えてないと言うか、人によって良心や倫理観の基準って違うと思うので悪いことをしている自覚は無いかもしれませんが。ピナはバレたらまずい、って焦っているところを見るに「悪いこと」の自覚はあると思いますし、レミリアもピナに対し「卑怯な手を使っている自覚があるから怖いのだろう」と言っていました。ピナは改心もしないし反省もしないし、恨むだけで後悔すらしません。それって自分と正面から向き合えてないってことだと思います。こういう人についていろいろ考えちゃうんだけど、キリがないし考えても仕方がないんだろうなあ。
ピナは他人に罪悪感や責任を押し付ける形で罪逃れをしようとしていました。優しくて真面目な人ほどピナの言葉に傷つきます。だからピナと戦えるのは「悪役令嬢のレミリア」なんだと思います。「エミは間違っていない」という証明が出来たのは「エミのレミリア」ではなくレミリアだったから出来たことなんだろうなって思えます。
まとめ
とっても良いお話!そしておもしろい!絵がうまい!
読み終えた後に何週もしてしまいました。この世にはたくさんのおもしろい漫画がありますね。これからもいろんな作品を読んでいきたいです。それでは〜。
