るなしいのドラマが始まりましたね。
まさかの!ドラマ化!映像化するなら実写ドラマで見たい作品だったので、嬉しさとどこまで映像化と放送が出来るのか?!というワクワクが織り交ざり、とにかく楽しみにしてました。そんなこんなで第1話を視聴したのですが……。
おもしろすぎてびっくりしました。
まず最初に「おもしろ!!!」とびっくりしたところ(私は自分のなかの「おもしろいゲージ」が一定を越えると驚きに変わります)は、OP前アバンでした。私は原作を読んでいるため、「どういう話なんだろう?」という気持ちではなく、原作の展開と比較し「こういう風に進むんだ」って観点で見ていると思います。(初見のときって「こういう風に見るぞ!」と決めて見る訳ではないので恐らくメイビーです)現在放送中のドラマなのとめちゃくちゃおもしろかったから、具体的なシーンの説明はしないでおこうと思うのですが、スバルのナレーションが本当におもしろいというか、ワクワクしました。こうやって構成するんだ!なんておもしろい!みたいな。1話の引きもとってもおもしろかったですね。「一体どうなっちゃうの?!」とか「どういうこと!?」ってこちらの好奇心をとても刺激してくれる……。2話目もOPアバンがむっちゃくちゃおもしろく……。30分ドラマだからですかね、冒頭の引きがめちゃくちゃ強い気がします。ということで「このドラマおもろすぎ」というときめきがなんかもう凄くて、上田監督の別作品を見てしまいました!!!
なので今回話すのはそっちの作品。「夫の家庭を壊すまで」のドラマについてです。
このドラマ……めっちゃおもしろかったよ……。
最近シナリオの勉強を始めまして、その際に「いろんな作品の1話を見よう」と言われたため、純粋に作品を楽しむというより、学ぶ姿勢で視聴を始めたのですが、ちょっと凄すぎちゃったナ……。
「夫の家庭を壊すまで」は原作漫画付きの作品ということで、私は縦型Web漫画も結構読むのですが、こういう「不倫・復讐バトル系」の漫画って良い意味でチープでとんでもない設定が多かったりします。一時期、友人と一緒に「どうか私より不幸でいて下さい」という漫画にハマっていたのですが、この漫画もなんつーかトムとジェリーみたいな感じでテンポも良く、復讐するためのプロセスも「こんなん出来るのハイスペックすぎるから相手への執着は捨てて一花咲かせる方に向かったら良いのでは!?」って感じでめっちゃおもしろいんですよね。
で、「夫の〜」も例に漏れず、とんでもねえ設定と展開が次々出てくるのです。もちろんこれはそういうものが読みたくて読んでいますし、それが良いとか悪いの話ではありません。私が「すっげえ」って思ったのは設定と展開は原作とほぼ全く同じなのに、全く違うジャンルのドラマになっていたことです。設定と展開が大きく変わっているのなら、全然違うジャンルの作品が出来上がっても全く不思議じゃないと思います。しかし設定は全然変わっていないのに、逆に上手に活かして人間的感情にフォーカスし、そこに新たな人間ドラマとおもしろさが生まれていました。
また、1話1話を見ていて、「不可解な言動」と「このあとどうなるんだろう?」っていう興味や疑問、そして「不可解に対する回答」の提示のタイミングと塩梅がめちゃくちゃ良くて、ずっと飽きずに夢中になって見ていられると感じました。不可解さと興味・疑問って大事だとは思うのですが、そこが長すぎたり、ずっと共感出来ないままだとやっぱり飽きちゃうと思うんです。少なくとも私はすぐチャンネル変えるタイプです!
第1話を見たときに、夫のことが大好きで幸せで仕方ない!というみのりが「不倫かもしれない」と疑ってから即行動に移し、夫に対して憎しみ全開になるという流れ。最初見てるときは愛してるからこそ辛いというのは分かるけれど、ここまで急に心を突き放すことって出来るかな?とも思ったんです。近い存在だと、嫌いになりたくてもなれなかったりするしね。(とは言え純粋に展開が気になるので、不可解でも夢中で見ていられました。)でも、徐々に語られるみのりの境遇や考えを聞くと、不可解だった行動に全て納得できて、むしろ不可解だと思っていたはずの言動に説得力すら生まれたんですよね。多分構成とタイミングがめちゃくちゃ的確なんだと思います。
また、全体的に感情が凄く丁寧にフォーカスされていてとても惹かれました。みのりはひどい裏切りを受けて、自分を雑に扱われて苦しくて悲しくて、ただ離婚するだけでは気が済まないから復讐をします。この復讐って相手を傷つけることではなく、自分の気持ちを分かって欲しかったから行ったのだと思います。もっと言えば、裏切られて傷つけられた苦しみから解放されたかったんじゃないかなって思います。でも復讐が達成しても心は晴れなくて、傷が癒えることなんてなくて、むしろいろんな人を巻き込んで傷つけてしまった罪悪感という新たな傷が生まれることになります。みのりの葛藤って復讐を進めているなかでちょこちょこ挟まれるのですが、見ていて苦しかったです。(私は正しいことをしているって言い聞かせるシーンとか……)多分このみのりの苦しみってなかなか視聴者に共感させるのって難しいだろうなあとも感じます。第3者目線だったら「ひどいことしたのは向こうだで!あんたは被害者やで!むしろここまでやり遂げたうえで新しい自分の人生を歩もうとしているのめちゃくちゃ凄いぞなもし!」ってなりますよね。これってみのり本人の心の問題で、誰しもが抱えたり経験するものでは無いだろうなと感じます。でもすっごく痛くて辛いもので、みのりの物語の中でそこを重要視して描写しているのは、みのりという人間と感情をとても大事にしているからなのかなって思いました。みのりは「自分が傷つけられたから」悲しみと怒りを生んだだけではなく、「思いやりの無いひどいことをする人間」に悲しみと怒りを抱えてるんじゃないかなと思います。7年経っても傷が消えず、過去に怯えている姿は見ていて本当に辛かったです。
あと主要登場人物の家庭環境の悪さにも説得力がありました。雄大なのですが、最初彼に対する好奇心ってまるで感じなくて、嫌いとか不快とかそういう感情すら無く、ただ「不倫する夫役」っていう舞台装置として見ていたのですが、彼が「環境や他人ばかりを恨んでいて自分のことしか考えていない母親」に支配されていたと言われると突然人間味とキャラクターとしてのおもしろさが出て来ました。雄大って10年以上みのりを騙せているわりには狡猾じゃないし、他人に対する思いやりが無いというより思慮が浅い人だと感じました。もちろん思いやりや愛情とかそういう部分はめちゃくちゃ欠けているとは思うけどね。雄大は母に支配・指示されて生きていた影響から、自分で思考する力が延びず、かつ歪んだ性格の母親の価値観をトレースしてこうなったのかなと感じました。おっかない話!!!!こんなの少年のアビスだぜ!!他の登場人物も「だからこうなったのね」が納得できるんですよね。リコさんが息子に依存的で自分の存在意義を委ねてることや、だからこそ雄大みたいな男と10年も一緒に居てしまったのも理解できる。娘のセリフを通してリコさんが息子に依存、過干渉しているのを描写してるのゾッとしちゃうね!復讐されたあとも全然反省せず、むしろ被害者意識で逆恨みしてるの、相手の立場や気持ち考えずに自分都合だけで不倫しちゃう人はそりゃそうよねって思うネ……。悲しいですが……。反省しないで自分の息子をずっとただの駒としてしか見てない義母と言い、反省しない自分が可哀想で仕方ないヤバ女の思考回路の解像度が高すぎて辛くなって吐いちゃいました!他人のこと思いやったり考える余裕を持てない人が、自己満足や自己実現のために子供を産んではいけませんよ。本当はみんな何かに執着せず、他人ではなく自分と向き合わなきゃいけないんだよね。他人や環境のせいにする人ってイコール自分と向き合えてないってことだと思うし……。とか考えちゃうね。すげぇドラマ!でもみのりが渉に恋するところだけは急にフィクションでウケちゃうよね。
このドラマって脚本、構成、演出、芝居、などいろんなものが作用してめちゃくちゃおもしろい作品になっていると思いました。松本まりかと聞いて私が一番最初に浮かぶのは「ぜんぶ、ボクのせい」の母親なのですが、出番は短いのに演技がリアル過ぎて強烈に印象に残ってるんですよね。「夫の〜」はそのリアルな演技がめちゃくちゃピッタリハマるどころか相乗効果を感じました。
学ぶ目的だったはずなのについ夢中になって見てしまったので、今度こそ勉強の姿勢でじっくり頭使いながら視聴してみます。
それでは〜